第2話 Wi-Fiはメールが「盗み見」されちゃう?

第2話 Wi-Fiはメールが「盗み見」されちゃう?


わたる
Wi-Fiにつなぐときって、ボタンをすだけじゃないの?

はかせ
ボタン? 無線 むせんルータの「WPS」や「らくらくスタート」のことじゃな?
たしかに便利べんりじゃが、レストランや公衆こうしゅうLANではルータにさわらせてもらえないじゃろう。

ナビ
東京とうきょうオリンピックにけて公衆こうしゅうLANがえているから、いまのうちにおぼえておくニャ!

はかせ
テレビのようにチャンネルで えらべたらラクじゃが、Wi-Fiがそうできないのは
2つの周波数しゅうはすうしか使つかわれていないからじゃ。

わたる
しゅーはすう?

ハカセ
ピアノの鍵盤けんばんみぎにいくほどたかおとになるじゃろ?
おなじように電波でんぱにもたかひくいがあるのじゃ。

ナビ
2.4GHz帯ギガヘルツたいと5GHz帯ギガヘルツたいの2種類しゅるいニャ。
両方使りょうほうつかえる機種きしゅえているけど、どっちかだけのものもあるニャ。

はかせ

テレビなら、「デジ」か「BS」かはえらべるが、チャンネルはえられない、ような状態じょうたいじゃ。


くるみ
じゃあ、きな番組ばんぐみられないの?

はかせ

それではこまるじゃろ、じゃからWi-Fiは放送局ほうそうきょくえら仕組しくみになっておる。
それがSSIDエスエスアイディ、Wi-Fiルータの名前なまえといえばわかりやすいじゃろう。


わたる
そうだったんだ!

はかせ
ちかくのWi-FiルータのSSIDが表示ひょうじされるから、接続せつぞくしたいものをえらび、パスワードを入力にゅうりょくするんじゃ。
パスフレーズやPINぴんよばれることもあるが、どれも秘密ひみつ合言葉あいことばじゃな。

くるみ
だれかに勝手かって使つかわれないようにしているのね。

はかせ
わすれちゃいけないのが「暗号化あんごうか」じゃ。
これはスマホとルータのやりとりを、ほかのひとがみとれないようにする技術ぎじゅつじゃ。
さもないとメールの内容ないようからwebページに入力にゅうりょくしたパスワードもられてしまい、とてもキケンじゃからのう。

わたる
えー!盗み見ぬす みされちゃうの! それってハンザイでしょ?

はかせ

そうとも言い切い きれんのじゃ。
カンタンにいうと、「だれかの電波でんぱ受信じゅしんした」だけではつみにならないという基本きほんルールがあるんじゃよ。
じゃからプライバシーは自分じぶんまもらなければダメなのじゃ。


くるみ
なんだかWi-Fi使つかうのこわくなっちゃった・・・

ナビ
今日きょうはなしをしっかりおぼえておけば大丈夫だいじょうぶニャ。
それと、らないSSIDに接続せつぞくしないことも大事だいじニャ!

くるみ
は~いっ!

質問:Wi-Fiはメールが「盗み見」されちゃう?

答え:本当

Wi-Fiはメーカーや機種を問わず同じ周波数が使われているので、メールの内容やwebサイトで入力したパスワードなどが、知らないひとに読み取られてしまう可能性があります。

Wi-Fiは電波の周波数や通信方法が「規格化」されているため、職場でも旅行先でも使える便利さから、あらゆる場所で使われるようになりました。しかしこの便利さがアダとなり、知らないひとが自分のWi-Fiルータに接続できたり、自分のスマホが送った情報が読み取られる危険性があるのです。そのため、ルータに接続するときの「パスワード」に加え、通信内容を「暗号化」できるようになっているのです。

Wi-Fiルータは、パスワードを知らないひとは接続できませんが、スマホとルータの間の「電波」はどうでしょうか? もしラジオのように受信されたら、通信内容をすべて知られてしまいます。このように誰かの電波を受信することを傍受(ぼうじゅ)と呼び、みんなが同じ電波を使うWi-Fiは傍受されやすい環境といえます。そこで重要なのが「暗号化」で、傍受されても内容がわからないよう「暗号」に変えてやりとりしているのです。

パスワードやクレジットカードの情報が傍受されたら大変ですから「暗号化なし」はお勧めできませんし、初期の暗号化方式「WEP」は解読可能なことが判明しているので、ほとんど役に立ちません。お使いのルータでもっとも高いレベルの暗号化方式を選んでください。

また、Wi-Fiの電波は意外と遠くまで届くので、住宅街では多くのSSIDが表示されます。逆に考えると、自分のWi-Fiも屋外に届いているのですから、SSIDやパスワードには苗字や電話番号のような「誰か」を特定しやすい文字は使わないほうが良いでしょう。プライバシーが気になるひとは、SSIDを表示させない「ステルス」機能をお勧めします。SSIDを知っているひとしか接続できませんからパスワードが増えたのと同じで、安全性はさらに高まります。

最後に、電波は誰が受信しているかわかりませんし、受信できるひとを限定することもできません。心配し過ぎ!と思わず、セキュリティには十分注意してください。