第3話 充電が遅いのは「ケーブル」のせい?

第3話 充電が遅いのは「ケーブル」のせい?

はかせ
ホッホッ、これで解決かいけつじゃな!
くるみ
USBケーブルって、どれもおなじじゃないのね。。。
はかせ
うむ、みんなコネクタのかたちしかにしないが、USBには規格きかくがあるンじゃ。
それに、そもそも充電じゅうでんのためのものではないのじゃよ。
わたる
えっ! USBって充電用じゅうでんようじゃなかったんだ!
はかせ
そうじゃ。では規格きかくはなしからしようかのう。
USBにはおおきくわけて2.0までと3.0以降いこうの2「世代せだい」があるンじゃ。
電圧でんあつおなじでも電流でんりゅうちがうのじゃよ。
わたる
電圧でんあつ? 電流でんりゅう??
はかせ
なんじゃらんのか?
ならばビギ電部でんぶでアンドウくんにおしえてもらうといな。
アンドウくん
アンドウくん
ただいま部員募集中ぶいん   ぼしゅうちゅうデス!
はかせ

電池でんち直列ちょくれつ、つまりたてにつなぐとモーターがはやまわるじゃろ?
あれはモーターに電気でんきおくる「ちから」がえるからじゃ。
これを電圧でんあつといってな、USBは5ボルトめられておるのじゃよ。

ナビ
電流でんりゅう充電器じゅうでんきからてくる電気でんきりょうニャ。
えないから、みんなにしてないだけニャ。
くるみ
じゃあ、電流でんりゅうおおいかすくないか、どうすればかるの?
はかせ

電流でんりゅうにはアンペアという単位たんい使つかわれ、かずおおきいほど「たくさん」を意味いみする。
パソコンのくろいUSBコネクタは500mAミリ・アンペアあおは900mAミリ・アンペアまでとめられておる。これが「規格きかく」じゃ。
ミリは千分せんぶんの1の意味いみじゃよ。

わたる
充電器じゅうでんきはどれくらいなの?
はかせ
製品せいひんによってちががうが、いまの急速充電器きゅうそくじゅうでんきは2.4Aアンペアぐらいじゃの。
くるみ
2.4Aアンペアってことは、1,000ばいして2,400mAミリ・アンペアだから、えーっと、
くろいコネクタは5ぶんの1ぐらいしかながせないってこと?
はかせ
そのとおり!
パソコンでも充電じゅうでんできるが、とても時間じかんがかかるのは、電流でんりゅうすくない
からなんじゃよ。
わたる
じゃあ急速充電きゅうそくじゅうでんにはケーブルが5ほんいるの?
なんか使つかいにくそう。。。
はかせ

5ほんはいらないが、なかの導線どうせんふといケーブルが必要ひつようじゃ。
ストローにいききこんでも、あまり空気くうきてこないじゃろ?
電気でんきおなじでな、とおみちほそいとながれにくくなってしまうのじゃよ。

ナビ

スマホやタブレットにおおmicroBマイクロ・ビーというコネクタは500mAミリ・アンペア時代じだい
誕生たんじょうしたニャ。
ニャけどケーブルには2アンペア以上いじょうながせるものがあったりと、
とても複雑ふくざつニャ。。。

はかせ

ほそ導線どうせんにたくさん電流でんりゅうながすと、ケーブルがあつくなってアブナいからの。
充電器じゅうでんきえるときは、ケーブルも急速充電きゅうそくじゅうでんタイプをうのが
いじゃろう。

アンドウくん
アンドウくん
急速充電きゅうそくじゅうでんケーブル、とても快適かいてきでス!
わたる
快適かいてき?? って、アンドウくんもUSBで充電じゅうでんするンだ!!

質問:充電が遅いのは「ケーブル」のせい?

答え:あり得る

 

急速充電器は多くの電流を流せるのに対し、「USB規格」はその半分程度の電流しか想定されていません。そのためケーブルが電気の流れを妨げ、充電時間が長くなってしまうことがあります。

携帯電話が主流だったころは、携帯会社によって異なるコネクタと専用の充電器が当たり前でしたが、スマホが登場してからはUSBコネクタが使われるようになり、「USB=電源」のイメージが定着しています。

しかし、USBはもともとマウスやキーボード、USBメモリなどの「周辺機器」を接続するために生まれた規格で、機器を動かすのに必要な電流しか考えられていません。現在の急速充電器は2.4Aが一般的なのに対し、USB2.0規格では最大0.5A、USB3.0規格でも0.9Aと定められているため、充電にはとても不向きな存在なのです。

これはUSBケーブルも同じで、余裕をもたせた製品でも1.5Aから2A程度のものが多く、そうとは知らず急速充電器といっしょに使われることが少なくありません。急速充電器からはつねに2.4Aが流れてくるわけではありませんが、この組み合わせでは充電器の性能が発揮できず時間がかかるだけでなく、ケーブルが発熱する場合もありますので、「急速充電対応」のケーブルを用意してください。

なお、多くの製品に使われているリチウムイオン電池は非常にデリケートなため、スマホやタブレットには充電時の電流を制御する回路が内蔵されています。そのため大容量の充電器に変えても、電流が制限され、充電時間が変わらないこともありますので覚えておいてください。