05 6月 第9話 「充電完了」で、バッテリーがダメになる?
充電式のバッテリーを上手に使うには、2つのポイントがある。
まずは「寿命」じゃ。
バッテリーも同じでの、使うたびにダメな部分が増えているんじゃよ。
充電すればずっと使えるって思ってた…
500回の充放電で4分の1、700回で4割ぐらいがダメになると言われているから、1日1回の充電なら2年で半分ぐらいになってしまうンじゃ。
いま主流のリチウムイオン電池は、満タンでもカラでも寿命が縮んでしまうんじゃよ。
充電がなくなるまで使ったほうが良いって、親戚のおじさんに教わったのに!
それは以前使われていた「ニッケル水素電池」の話じゃな。
ニッケル水素電池はちょっとヤッカイでな、例えば「40%使ったら充電」を繰り返していると、40%を「全部」と勘違いしてしまうんじゃ。
すると残りの60%が無くなってしまうようなものじゃから、バッテリーは使い切ったほうが良いとされていたんじゃよ。
リチウムイオン電池では起きないし、使い切ると「過放電」という状態になってバッテリーを痛めてしまうニャ。
逆に100%の状態が続く「満充電保存」も寿命を縮める原因でな。
「充電完了」と表示されたら充電器を外したほうが良いんじゃよ。
ボクの使い方って、一番やっちゃいけないパターンだったんだ…
質問:「充電完了」で、バッテリーがダメになる?
答え:Yes
リチウムイオン電池は、残量100%の状態が続くと寿命が短くなります。
リチウムイオン電池は電圧が高く小型でも大容量のものが作れるため、スマホや携帯電話だけでなく電気自動車にも使われています。
しかし充電のしかたや温度によって寿命が大きく変わる、気むずかしい一面も持っています。
100%まで充電し、電源を切り、1年間使わないだけでも、バッテリーの容量は90%ほどに減ってしまいます。これは容量復帰率(ようりょうふっきりつ)といい、充電器につなげたまま「充電完了」の状態が続いても、やはり1年間で1割ほどが「使えない部分」になってしまうのです。
また、一般的なリチウムイオン電池が充電できる温度の上限は45℃なのに対し、55℃では寿命が半分ほどに、60℃になると3分の1にまで短くなるともいわれています。
充電しながら使い続けると、バッテリーが高温になり寿命が短くなりますので注意してください。
メモリ効果が起きるニッケル・カドミウム電池やニッケル水素電池は、いまでもコードレスホンや電動工具に使われている場合があります。
これらの電池が使用されている機器は、ときどき充電器から外し、電池がなくなるまで「使い切り」すると良いでしょう。