第9話 「充電完了」で、バッテリーがダメになる?

第9話 「充電完了」で、バッテリーがダメになる?

はかせ

充電式(じゅうでんしき)のバッテリーを上手(じょうず)に使(つか)うには、2つのポイントがある。
まずは「寿命(じゅみょう)」じゃ。

わたる
じゅみょう?
はかせ
さよう。服(ふく)やタオルもずっと使(つか)っていると布(ぬの)が薄(うす)くなってダメになってしまうじゃろ?
バッテリーも同(おな)じでの、使(つか)うたびにダメな部分(ぶぶん)が増(ふ)えているんじゃよ。
くるみ
えっ、そうなの!
充電(じゅうでん)すればずっと使(つか)えるって思(おも)ってた…
はかせ

500回(かい)の充放電(じゅうほうでん)で4分(ぶん)の1、700回で4割(わり)ぐらいがダメになると言(い)われているから、1日1回(にち かい)の充電(じゅうでん)なら2年(ねん)で半分(はんぶん)ぐらいになってしまうンじゃ。

わたる
じゃあ、ボクのはまだ半年(はんとし)ぐらいだから、故障(こしょう)しちゃったってこと?
はかせ
否(いな)、わたるの場合(ばあい)は2つめのポイント「充電(じゅうでん)のしかた」が問題(もんだい)なんじゃ。
いま主流(しゅりゅう)のリチウムイオン電池(でんち)は、満(まん)タンでもカラでも寿命(じゅみょう)が縮(ちぢ)んでしまうんじゃよ。
わたる
ウソ?
充電(じゅうでん)がなくなるまで使(つか)ったほうが良(い)いって、親戚(しんせき)のおじさんに教(おそ)わったのに!
はかせ

それは以前(いぜん)使(つか)われていた「ニッケル水素電池(すいそ でんち)」の話(はなし)じゃな。
ニッケル水素電池(すいそ でんち)はちょっとヤッカイでな、例(たと)えば「40%(パーセント)使(つか)ったら充電(じゅうでん)」を繰り返(く かえ)していると、40%(パーセント)を「全部(ぜんぶ)」と勘違(かんちが)いしてしまうんじゃ。
すると残(のこ)りの60%(パーセント)が無(な)くなってしまうようなものじゃから、バッテリーは使い切(つか き)ったほうが良(よ)いとされていたんじゃよ。

ナビ
これは「メモリ効果(こうか)」という現象(げんしょう)ニャ。
リチウムイオン電池(でんち)では起(お)きないし、使い切(つか き)ると「過放電(かほうでん)」という状態(じょうたい)になってバッテリーを痛(いた)めてしまうニャ。
はかせ

逆(ぎゃく)に100%(パーセント)の状態(じょうたい)が続(つづ)く「満充電保存(まんじゅうでんほぞん)」も寿命(じゅみょう)を縮(ちぢ)める原因(げんいん)でな。
「充電完了(じゅうでんかんりょう)」と表示(ひょうじ)されたら充電器(じゅうでんき)を外(はず)したほうが良(よ)いんじゃよ。

わたる
うわぁ…
ボクの使い方(つか かた)って、一番(いちばん)やっちゃいけないパターンだったんだ…
はかせ
バッテリーは交換(こうかん)すれば済(す)むが、正(ただ)しい使い方(つか かた)を覚(おぼ)えることが大事(だいじ)じゃ。
ナビ
バッテリーがすぐダメになる、と感(かん)じているひとは、充電(じゅうでん)のしかたを確認(かくにん)するニャ!

質問:「充電完了」で、バッテリーがダメになる?

答え:Yes

リチウムイオン電池は、残量100%の状態が続くと寿命が短くなります。

リチウムイオン電池は電圧が高く小型でも大容量のものが作れるため、スマホや携帯電話だけでなく電気自動車にも使われています。
しかし充電のしかたや温度によって寿命が大きく変わる、気むずかしい一面も持っています。

100%まで充電し、電源を切り、1年間使わないだけでも、バッテリーの容量は90%ほどに減ってしまいます。これは容量復帰率(ようりょうふっきりつ)といい、充電器につなげたまま「充電完了」の状態が続いても、やはり1年間で1割ほどが「使えない部分」になってしまうのです。
また、一般的なリチウムイオン電池が充電できる温度の上限は45℃なのに対し、55℃では寿命が半分ほどに、60℃になると3分の1にまで短くなるともいわれています。
充電しながら使い続けると、バッテリーが高温になり寿命が短くなりますので注意してください。

メモリ効果が起きるニッケル・カドミウム電池やニッケル水素電池は、いまでもコードレスホンや電動工具に使われている場合があります。
これらの電池が使用されている機器は、ときどき充電器から外し、電池がなくなるまで「使い切り」すると良いでしょう。