12 7月 第3回 パソコンの頭脳、「CPU」について学ぼう!
けれど、ハードウェアは、OSやソフトウェアを使っている人間の操作をどうやって理解しているんだにゃ?
前回までで、パソコンを動かすための装置「ハードウェア」の役割と、それらを人間が分かりやすく使うための「OS」と「ソフトウェア」について学びました。
今回は、この3つが、いったいお互いをどう動かしているかを説明します。
プログラムとCPUの役割
「プログラム」という言葉を聞いたことはありませんか?じつは、OSやソフトウェアは、この「プログラム」のあつまりなのです。
ハードウェアは、OSやソフトウェアで行った人間の仕事や操作を直接理解することができません。ハードウェアが理解するためには、「プログラム」を使って、人間の仕事や操作を「機械語」と呼ばれる、パソコンが理解できる「0」と「1」の数字の列に翻訳してあげる必要があります。
ソフトウェアは、人間の操作を機械語に翻訳するプログラムの集まりです。このプログラムの集まりを使って、機械語に訳されたものを、ハードウェアは理解して、ハードウェアどうしを使って、計算したり、その結果を表示したりしているのです。
この計算の中心となるのが、ハードウェアの中心、つまりコンピューターの脳となる「CPU」です。一番最初に説明した通り、CPUは色々な情報を処理・計算するハードウェアで、このCPUがないと、パソコンは動きません。また、CPUは、マザーボードと同じく、ハードウェアすべてをコントロールする「制御」の役割もあります。
プログラムは、入力装置を使って与えられた人間の操作を、「これをこう計算しなさい」「計算したデータをここに移動させなさい」などの機械語の「命令」に変えて、CPUに与えます。CPUはこの命令に従って計算をしたり、データを移動させたりします。そして、その結果を、記憶装置や出力装置に送ります。
そして、「0」と「1」の数字のままでは、人間にはわからないので、プログラムがそれを今度は人間がわかる「色」や「形」、「文字」などに変換し、画面に表示するのです。
パソコンの性能に影響を与える「CPU」
パソコンを使ったり、選んだりしている時に、「このパソコンは速い」とか「性能が良い」などを聞いたことはありませんか?この「速い」や「性能が良い」という言葉は、「ハードウェアが人間の操作を理解し、計算するスピード」からきています。
パソコンは、ハードウェアそれぞれの持っている能力によって、全体のスピードや性能が、搭載しているOSやソフトウェアで、できる仕事やつかえる機能が決まってきます。その中でも、スピードや性能にいちばん影響を与えるのが、この「CPU」です。
CPUが命令を処理するスピードは、「クロック周波数」で表され、その単位は「Hz(ヘルツ)」です。CPUは、パソコンを構成するハードウェアが、足並みをそろえて動作できるように、ある同じ間隔で、電気の信号を流しています。この間隔が速ければ速い…つまりクロック周波数の数字が大きければ大きいほど、CPUは多くの命令を処理することができます。
CPUは、人間の操作を理解して計算し、その結果を返す…、これがCPUはパソコンの脳と言われる理由です。CPUは、私たちの仕事を速く正確に行うため働いているのです。
ですが、せっかく働いても、そのデータを流すだけではなく、記憶しておかなければなりません。記憶をしていないと、人間と同じように、「あれ?次何をするんだったっけ…」と、仕事を忘れてしまいます。また、ソフトウェアやOSも、パソコンを使うときには、そのプログラムをどこかに記憶させておかなければなりません。
その記憶をするハードウェアが「メモリ」です。メモリは、CPUで計算された情報や、入力されたデータを記憶しておく装置です。次回は、このメモリが、CPUの計算やその他のハードウェア・ソフトウェアやOSにどう役に立ってるかを説明します。