14 6月 第1回 パソコンの中身はどうなっているのかな?
わたしたちの生活に、なくてはならない存在になった「パソコン」。
パソコンは「パーソナル・コンピューター」の略で、私たち個人(英語でパーソナル)が、簡単に使えるコンピューターのことを指す言葉です。
コンピューターには、科学の研究で使うための大きなものから、機械をコントロールする小さなものまで、たくさんの種類があります。今回は、この中でも私たちに一番近い「パソコン」が動く仕組みを勉強しましょう。
パソコンの動く仕組みは、私たち人間が机の上で仕事や勉強をするのにとっても似ています。まずは、一般的にデスクトップ型パソコンと呼ばれる、机の上で使うパソコンを見てみましょう。
みなさんも家や学校で見たことがあるかもしれませんね。デスクトップ型パソコンは、画面を表示する「モニタ」と、操作するための「マウスとキーボード」、そして、人間に代わっていろいろな仕事をしてくれるのが、「パソコン本体」です。(実は、この3つをひとつに小さくまとめたものが、「ノート型パソコン」や「タブレット」、「スマートフォン」なのです。)
まずは、「パソコン本体」を見てみましょう。
この大きなケースのなかに、実はいろいろな「部品」が入っています。この部品たちが、それぞれの仕事の役割をきちんとこなすことによって、パソコンは動いているのです。
パソコン本体は、次の3つの役割(装置)に分けることができます。
①演算装置
②制御装置
③記憶装置
なにやら難しい言葉がでてきましたが、ひとつずつ説明していきましょう。
① 演算装置
人間の脳のように、いろいろな情報の処理をする、パソコンでいうと「計算」を担当する装置です。ホームページや写真、ゲームなど、文字や色、形をすぐに画面に表示してくれるパソコンですが、じつは、このそれぞれはすべて「0」と「1」の数字で表すことができます。人間がキーボードやマウスを操作して入力したデータは、いろいろなプログラムを通して、パソコンが理解できる「0」と「1」の数字になり、パソコンはこの数字をきちんと計算して、私たちが分かるように画面に表示してくれているのです。
演算を行う部品は、おもに「CPU(シーピーユー)」と「GPU(ジーピーユー)」があります。
CPUは主にすべての計算を、GPUは主に立体的なグラフィックを表示するのに必要な計算を行います。
② 制御装置
パソコンの中の部品に、「これをこうしなさい」「次はこうしなさい」など、いろいろな命令を出し、それぞれをコントロールする役割、それが制御装置です。人間でいうと、脳の命令に従って手足を動かすといったような神経の役割です。
制御を行う部品は、おもに「マザーボード」です。マザーボードは、パソコン本体の中で、いろいろな部品をつなぎ、データをやり取りしていて、1枚の板のような形をしています。
また、演算装置の1つであるCPUも、制御装置の役割をしています。
③ 記憶装置
演算装置で計算されたデータを記憶しておく装置です。人間も、考えるために何かを参考にしたり、それをどこかに残しておかないといけませんよね。人間は、考えるために本を見たり、考えたものをノートに書いたりします。そしてその時必要になるのが「机」です。パソコンも、考えたり記憶するために場所を必要とします。それが記憶装置です。
「メモリ」と呼ばれる部品は、この机と同じ役割をしていて、パソコンが仕事をするためのソフトウェアを使ったり、データを一時的に記憶しています。ですが、メモリはパソコンの電源を切ってしまうと、その中身は消えてしまいます。
そのために、「ハードディスク」や「SSD(エスエスディー)」と呼ばれる、電源を切っても中身が消えない部品に、データを保存しておくのです。まさにノートのような役割ですね。
そして、これらの装置を人間が使って操作するために必要なのが、入力装置と呼ばれる「マウス」や「キーボード」、出力装置と呼ばれる「モニタ」です。人間がやりたい仕事をパソコンに指示して、その結果を目で見えるようにするために必要な装置です。
これら「演算装置」「制御装置」「記憶装置」「入力装置」「出力装置」の5つを、「コンピューターの5大装置」と言います。この5つの装置がバランスよく動いて、パソコンは動いているのです。
ですが、これらの装置だけでは、パソコンは便利に使うことができません。そこで必要になるのが、記憶装置のところで出てきた「ソフトウェア」です。次回は、この「ソフトウェア」と、ソフトウェアとこれらの装置を一緒に動かすために必要な「OS(オーエス)」について勉強しましょう。